配当利回りってどういうもの?
配当利回りは、1株当たりの配当金を株価で割った数字で表されます。たとえば、1株1000円の株が年間50円の配当を出したら、利回りは5%になります。個別株だと、企業が配当金を増やすと、株価が動かなければ利回りが上がる仕組みです。でも、ETFだと少し話が違ってきます。
個別株の配当利回りはどんな動きをする?
個別株の場合、たとえばトヨタが配当金を50円から60円に増やしたとします。株価が1000円で変わらなければ、利回りは5%から6%に上がります。ただ、増配のニュースで株価が1200円に上がると、利回りは5%(60円 ÷ 1200円)に下がることもあります。結局、株価の動きが大きな影響を与えます。
1489 NF日経高配当50 ETFはどうなるの?
1489は「日経平均高配当株50指数」に連動するETFで、日経平均の中から配当利回りが高い50銘柄を選んで構成されています。年4回(1月、4月、7月、10月)に分配金が出るので、定期的な収入を求める人には便利です。ただ、配当利回りが上がるかどうかは、個別株ほど単純な話ではありません。
増配があっても全体の状況次第
1489が持つ50銘柄のうち、5社が配当を増やしても、他の45社が減らしたり株価が動いたりすると、ETF全体の分配金はあまり変わらない場合があります。個別株のように「1社の増配で大きく変わる」というより、全体のバランスが影響します。ただ、毎年10月に構成銘柄が見直され、高配当の銘柄が選ばれ続けるので、長い目で見ると安定感があります。
ETFの価格が上がると利回りは下がる
個別株と同じで、1489の価格(基準価額)が上がると、分配金が同じでも利回りは下がります。たとえば、2023年12月末時点の分配金利回りは約3.6%(野村アセットマネジメントの資料より)。市場が好調でETFの価格が上がれば、利回りは3%台前半になることもあります。
分散投資の安心感
個別株だと1社の業績が悪化すると配当が減る心配がありますが、1489は50銘柄に分散しているので、そのリスクが抑えられています。利回りが急に大きく上がることは少ないものの、安定している点が特徴です。
結局、ETFの配当利回りは上がるの?
1489 NF日経高配当50 ETFの場合、銘柄の配当が増えたり見直しがあったりすれば、分配金が上がる可能性はあります。ただ、個別株のように「増配したらすぐ利回りアップ」とはならず、50銘柄全体の状況やETFの価格に左右されます。過去の数字を見ると、利回りは3~4%程度で推移していて、高配当を維持する設計になっています。安定した収入を求めるなら悪くない選択肢ですが、利回りを大きく増やしたいなら個別株の方が向いているかもしれません。